ベッド、机、本棚と三カ所に置かれた目覚まし時計が一斉に鳴り響き目が覚める。一つ一つを止めながら、このまま布団へ戻ったら今日はどうなるのだろうかと考える。 常温の水をコップ一杯飲み干し、ヤカンを火にかける。お湯が沸くまでの間に煙草を吸いながら…

冬季休暇の予定

上野から約三時間。ドアの開閉が手動に切り替わると、如何にも非日常に足を踏み入れたかのように思えた。開閉ボタンなどという代物はまだまだ都会の象徴だ。電車は「プシュ」と短い音を立て、まるで極度の緊張から解き放たれた人が肩をなで下ろすようにドア…

少し早いような気もするが、予想に反してウケなかった今年のツイートを紹介していくぜ やっぱり柏原くんは給水ポイントでサントリー天然水を配っているのかな? — ykns (@yakennoesa) 2013, 1月 2 「山の神様がくれた水」ってなーっ! — ykns (@yakennoesa) …

『転々』という映画をご存知ですか。 三浦友和とオダギリジョーがなんやかんやあって、東京の下町を散歩するというものです。その中で、三浦友和が個人経営の時計屋はちゃんとやっていけるのか、と疑問を持つシーンが有りましてね。店の前でオダギリジョーに…

社会科学に興味を持ったからには、就活生の常套句ではありませんが「社会のために」みたいな志があったわけです僕にも。誤解のないように言っておくと、社会科学が直接世のため人のためになるとは思いませんよ。経済学だの政治学だの社会学だの法学だの、ど…

絶望

市民プールで食べた焼きそば 水やりを忘れた朝顔 夏バテ気味の飼い犬 おじさんが買ってきたモスバーガー 学校に忘れた絵の具セット 一つも判子が無いラジオ体操カード じいちゃんの七回忌 友達のお土産 おばさんが送ってきた推薦図書 すぐに終わった自由研究…

ヤドカリ

デパート*1のペットコーナーに並べられたカブトムシを見て、何か思い出した。 保育園の最終学年だったか、同級生の男子がほぼ全員カブトムシを持ってくる意味不明なブームが発生した。 保育園のロッカーは、大人の腰くらいの高さでね。 そこの上に、男子ども…

リベラルアーッ!

学部生「大学院生になって、学部と変わったところとかありますか?」俺「印鑑を押す機会は増えた…かな…」— yknsさん (@yakennoesa) 2013年5月21日 先日、実際に学部生と話をしなければならない機会があった。 昨日も書いたけど、金にならない(と思うのよ)…

ナーバス

「君が大学で学び、研究している分野のソーシャルインパクトは何?」 「そんなものはない。ソーシャルインパクトとか洒落た言葉を使うなおたんこなす」学部や修士を終えたレベルでこの分野が金になるとははなから思っていない。 かと言って博士に進んで研究…

十八番

「君ねえ、コミュニケーション能力だよ」「はい」「そこだよ。そこで何か言うんだよ。何か面白い話ないの?」「そうですねえ」「うん。コミュニケーション能力。頑張ってよ」「はい」「だーかーらー」 ああ、これじゃない。諦めが肝心か、見極めが大事か。面…

隙間

先週のこと。近くに用があったので、丸善に立ち寄った。特に目当てがあるでもなし、背表紙を眺めてもタイトルが頭に入らなかった。 というのも最近は、書店を訪れると自室に積まれた大量の未読本が頭をよぎる。それに、今は文学よりも論文を読むべきという思…

手水と手水

僕の名前は大概読み間違えられる。 両親は無難な漢字を選ぶも、神主の一声で変わってしまったという。 別に不満があるわけでもなく、寧ろ気に入っているくらいだ。 読み間違えをやんわりと正して始まる会話もあれば、すんなり読めた理由を問うこともできる。…

な余りにな

なんだかパッとしない年の瀬ですよ。研究が全く進まないとか、仕事が見つからないとか、如何にも当世風の悩みを沢山抱えたアンニュイな青年なんですよ僕は。 でもまあ、それは大した問題ではないと思います。 研究も職探しも、まだまだやるべき事が沢山ある…

九鬼周造「風流に関する一考察」 より

風流とはまず最初に離俗した自在人としての生活態度であって「風の流れ」の高邁不羈を性格としている。うおおお!そうだそうだ!ただしその破壊性は内面的破壊性を意味しているのであって、社会的勤労組織との外面的形式断絶を意味するものではない。かえっ…